「水を飲まないと死んじゃうんでしょ?」
というように、体内から水がなくなってしまうと人間は生きていられないと、だれでも知っている事です。
でも、どのくらい欠乏すると生死にかかわるのか?
体内でどういう役割をしているのか?
意外と知られていないのが現状ではないでしょうか?
「知ってるよ!血液になるんでしょ?」「リンパ液になるんでしょ?」「おしっこになって老廃物を排出するんでしょ?」
そうですね。これのどれもが正解ですが、もうちょっと詳しく見てみましょう。
水の働き
では、栄養学的に水の働きを調べてみましょう。
- 栄養素や酸素を運ぶ(血液などですね)
- 体温を調節する(汗など)
- 代謝をスムーズにさせる
- 酵素反応などの化学反応の場になる
下の2つはちょっと聞きなれなくて難しいですね。
「化学反応の場になる」というものは例えていうと
空気中では火が燃えるけど、空気が無いと火が消える・・・みたいな状況でしょうか。
体内では水が無いと反応できないという事です
皆さんが良く知っている「足がつった!」というのも、神経系の電気信号エラーと言われ、水分またはミネラルが足りないと起こりやすくなります。
このように体内の細胞では、「水」の中で生きるための活動が行われるのです。
水の欠乏 どのくらいでどうなる?
水分は体の約60%を占めています。
体重×60%で考えると、60kgの人で約36kgが水分量と考えます。
そこからの水分損失では以下の症状が現れますが、たった5%でも健康や命の危険性が出てくるなんて怖いと思いませんか?
- 1%損失 のどの渇きを感じる
- 5%損失 激しいのどの渇き、脱水や熱中症の症状が出始める
- 10%損失 筋肉の痙攣、循環不全、人によって意識障害
- 20%損失 生命の危機
これらのことにより、1日に必要な水分摂取量は2.5リットルとされ、
食事で1リットル
飲み水で1.2リットル
程度の水分摂取が必要とされています。
「水は第6の栄養素」①でも書きましたが、利尿作用のある飲み物は水分摂取にはあまり適しません。
細胞内の水分を排出させてしまうからです。
のどが渇いたとき、スポーツ時、暑い時など、冷たいお茶類はとっても美味しいですが、水を優先させたり、利尿作用のないの飲み物とバランスよく飲んだ方が良いでしょう
また、年齢が低いほど代謝が活発なので、必要な水分摂取量は多くした方がよいとされています。
このように見てきますと、何も考えずに飲み物を飲むより、少し気を付けて水分摂取を考える必要がありそうです。
ちょっと前までは水道水を当たり前のように飲んでいましたが、現代は水道水を飲む習慣が薄れてきたように思います。
それは、いろいろな社会状況もありますが、おいしい飲み物がペットボトルで手軽に楽しめるようになったからだと感じます。
便利さは、そこに住む私たちの選択する力を必要としているようです。